薪ストーブ生活  〜薪割り編〜

5.薪割り

いかにも”薪ストーブやっています”といった気持ちにさせる、薪ストーブ生活の象徴的な作業であると思います。油圧の薪割り機を使っている方もいるようでありますが、私は斧一本で行います。大変でしょ?と良く言われますが、そうでもないと思っています。1シーズン分の薪割りを数日で終えることが出来ます。時間にして10時間もかからないのではないでしょうか。見た目ほど力がいるわけではないです。薪運びやこの後に発信する乾燥のための薪棚へ薪を並べる作業の方が、私にとっては大変であると感じています。確かに握力は使うため、後半斧を持つのが危うくなってはきますが・・・。どちらかというと薪を薪割りの台に載せる際に腰をかがめたりする動きの方が負担で、疲労の原因となっていると感じます。

 

薪を割る時期は、木を刻んでから早めが良いと言われています。実際木の切断面が乾燥してくると割りにくくなります。とは言うものの、私の場合は毎年GWの連休にまとめて割っているので、木を刻んでから2〜3ヶ月くらい放っています。それでも薪は割れてくれます。

 

薪の種類によって割れやすさは異なります。針葉樹は簡単に割れます。手刀でも割れそうな感じがしてしまいます(笑)。広葉樹は少し割りにくくなります。その中でも比較的簡単に割れるのがクリの木です。しかし以前にも発信しましたが、私はクリの木を薪として好んでいません。薪としての火力が弱いため、クリを薪にする作業時間がもったいない感じがしてしまいます。サクラについては、木自体は柔らかいのですが、木の皮が頑固で割りにくく火力も弱いため、クリの木と同様好んで使っていません。

 

好んで使う木は、トチ、ナラ、クヌギケヤキ、カシであります。実際にはナラ、クヌギケヤキは近くにあまり自生していないです。なので私が割っている木は、トチとカシが主となります。

 

カシの木の方がやや割りにくいものが多いです。繊維が密で絡まっているような感じで、ぱかっと割れてくれることはあまりありません。トチの木の方が気持ちよく割れてくれますが、見るからに捻れて伸びているような、強風に鍛え上げられたような個体のものは割れにくい印象です。部位によっても異なり、節があると割りにくくなります。木の股になるような部分を股部分で割ることはおよそ無理であります。股を直接割るのではなく、股から伸びた足の部分を割ってあげ、乾燥しやすい状態にしてあげます。

 

斧を使う際は、薪のどちらの断面に斧を入れ、どこに斧を当てれば良いか、など考えばがら行っています。うまく割れなかったら薪をひっくり返して斧を入れるとすぐに割れることもあります。割れやすい向きがあるのでしょう。そんなことを考えながら行っていくと、薪割りのコツが掴めたような感覚になることもあります。

 

割れにくい時はバールを使います。斧では割れなかった場合、斧で作った割れ目にバールを突っ込んで、テコの原理で割いてあげます。例えが良いのかわかりませんが、割けるチーズみたいな感じでしょうか・・・。ともかく斧だけではなくバールもよく使って割っています。

 

付け加えておきたい、きっと役立つ情報があります。薪ストーブに火を入れる際、着火用として小枝や着火剤などを使う方がいると思います。私の場合は、この薪割り作業で出てくる、木の破片、木のささくれを使います。木の破片、ささくれとはどういうものかというと、薪を割るとその際に木の繊維に沿った木屑が、木が割けた面から出てくるものです。大きさは色々で、数センチの長さから、30cmくらいの長いものまで意図せず出てきて、薪を割っているとどんどん溜まってきます。私はこの木屑(木の破片、木のささくれ)をカゴなどに入れて乾燥させておきます。薪ストーブのシーズンには十分乾いているので、この木屑が着火剤がわりになり、火入れ、焚き付けに役立てています。わざわざ小枝を集めに行ったり、着火剤を買う必要はありません。もし良ければ参考にしてみてください。

 

薪割りには見るから凶器である斧を使います。私は幸いにも怪我をしたことはありませんが、この斧が体に当たったらと思うとゾッとします。くれぐれも怪我をしないようお互い気をつけて取り組んでいきましょう!

 

次回は割った薪を薪棚に収める、乾燥させる工程です。どうぞお楽しみに・・・。